「書くだけ」から卒業!ライターが「ひとり広報」を学ぶワケ
「どうすれば多くの人の目に触れるコンテンツにできるか」これは多くのライターが思っていることだと思います。
すでに「企画をがんばる」「SEOをがんばる」「記事をたくさん書く」といったことに取り組んでいる人も多いでしょう。
なぜってライターの仕事は「書くこと」だから。
でも、ちょっと立ち止まってみてください。
それってライティングだけでどうにかなることでしょうか?
解決法のひとつが広報的な発想だと私は思います。
今週の「書く+αで生きていく。ライターの歩き方」は、ライターが広報を学ぶ理由について考えてみたいと思います!
書ければ十分?ライターの私が広報を学ぶわけ
ライターと広報は、どう関係するのでしょう?
本の紹介をする前に、はじめにライターである私がなぜ広報を学ぼうと思ったかについて書いてみますね。
私は2017年にまったくの未経験からライターをはじめました。
スタートは1文字1円以下のクラウドソーシング。いまでは企業のオウンドメディアや経営者やマネジメント層のインタビューライティングや、寄稿先も持てるようになりました。
「読まれる記事」づくりの方法論はネット記事も本はもちろん、有料セミナーや講座にも参加して勉強してきました。
そうやって毎日数千〜数万字を書いてきましたので、どうにかこうにか「書ける」ようにはなったと思います。
でも、次第に「それだけでいいの?」と思うようになりました。
記事は読まれてナンボ。
なので、どれくらいその記事が読まれたかである「PV」を見ます。
でも、そもそもPVを追うのは何のため?
そのPV目標って妥当なの?
と考えるように。
そして私が広報を学ぼうと思ったのは、まさにここにあります。
もっと、関わる人や企業の役に立てるライターになりたい。
私自身がいいと信じるものを世の中に広めていきたい。
そのためには「ライティングは広報活動のひとつと考えることが必要なのかも」と思ったことがきっかけでした。
ライターが知っておくべきひとり広報3つの心得
ライティングは広報・PRの中のひとつ。図は筆者作。
そんな私の疑問に答えてくれたのが井上千絵さんの『ひとり広報の教科書』です。
ここからは心に残ったことを3つ紹介してみたいと思います。
-
効果が出るまでは時間がかかる
広報のプロがそう言っている。そう思うと、安心するのではないでしょうか。
SNSを見ていると、短期間で成果を出した人の話を見聞きすることも多いですよね。思わしい結果が出ていないと、何かが間違っているのでは?と焦ってしまいますが、最初に「地道な発信が大事」と言ってもらえて、肩の力が抜けるような気がしました。
とりわけSNSを負担に感じている私にとっては、「無理なく続ける」という提案もありがたがったです。
-
目的を確認する
とはいえ「なんとなく」やっているなら、改めて確認した方がいいことがあります。
それは広報の目的です。
第1章は、社長ヒアリングや現場ヒアリングの進め方、そして具体的にどのようなことを確認したらいいかがくわしく書いてありました。
ちょっと変えれば、そのままインタビューにも応用できそうです。
しつこいくらいに目的を確認する。
これは去年、ブックライターの第一人者・上阪徹さんがおっしゃっていたことでもあります。
ライター講座というとライティングのテクニックを学べると思いますよね。
ところが、上阪さんの講座は違いました。
よい文章が書けるかどうかは書く前に決まっているといいます。
本当に大事なのは、素材となる話を引き出すこと。
文章の目的が明確になっていなければ、質問はぼんやりしたものになる。
だから質問はゴールから逆算して考える。
一線で活躍されているライターはビジネス的な視点を持っているものなのかもしれません。
今回の井上千絵さんの本を読みながら、去年のライター講座を思い出してあらためて目的の大切さを感じました。
-
事前にトラブルを想定しておく
『ひとり広報の教科書』の第6章は、よくあるトラブルの事例とその対策を紹介しています。
これはライターというより、情報発信者に必要なことではないでしょうか。
いまは誰もがSNSやブログで発信できる時代です。
情報発信に無関係な業種・業態はないといっても過言ではありません。
これからはじめる。あるいは、はじめたばかりの段階でトラブルを想定するなんて「縁起でもない」「そんなの、そうなったときに考えればいい」そう思う人もいるかもしれません。
でも、トラブル時はただでさえパニックになっているもの。
どんなときも落ち着いて対応できる人ならそれでもいいのかもしれませんが、私はそういうタイプではありません。
なので、できれば知っておきたいと考えています。
なぜなら、知っていることは安心につながるからです。
うまくいくケースだけだけでなく、マズいことが起きたときの対応が書いてあるのがすごくいいなと私は思いました。
ライティングであの人を笑顔にしたい
では、実際のライティングに広報的な考え方はどう活きるのでしょうか。
ライターが広報を学ぶ理由。
それは、記事単品ではなく全体でどう機能させていくかの考え方を知ることができることです。
私は先日、Molecule(マレキュール)というメディアで編集長の役目をいただきました。このメディアでは働く子育て女性のたくさんの事例を紹介していきます。
私はライターです。しかし同時にMoleculeの広報担当者でもあると思っています。
読んでくださった方からもお話をうかがった方からも、わざわざ時間をとって記事を読んで、あるいは話をしてよかったなと思ってもらえるように。
そのための一歩として、年末年始は2023年の年間計画を作ってみるつもりです。
『ひとり広報の教科書』は年間計画表のテンプレートもダウンロードページも用意してくれています。タイトルのとおり、ひとりで発信する人を応援してくれる本です。
今週末、ちょうど私は机の上を整理しました。
いつでも振り返れるように、ペン立ての横にこの本の定位置をつくりました。
広報ってなんだろう?と気になった人はぜひ読んでみてくださいね。
すでに登録済みの方は こちら