40代で人生を再設計する。リデザインは新しい可能性との出会いから
📝今週のテーマ:人生を再設計する
こんにちは。のりーです。
人生100年時代と言われる今、私たちには複数の転機があるのかもしれません。40代、50代であっても、まだまだ新しいことを始められる。むしろ、経験を活かした転換だからこそ、より深い実りがあるのではないでしょうか。
今週は、45歳で大きな転身を決意した夫のストーリーをお届けします。仕事を「変える」だけでなく、人生そのものを「リデザイン」した選択。その決断に至るまでには、誰もが経験する迷いや不安、そして新しい可能性との出会いがありました。
✨️今週のリデザイン:決断のとき。45歳、定年のない人生へ
デスクワークは絶対に嫌だ。そう断言して航空機整備の道を選んだ私を、今となっては少し笑ってしまう。1991年、バブル経済の余韻がまだ残る中で航空会社に入社した。乗客の安全を担う仕事への憧れと一日中机に向かう仕事への拒否感が、私を整備の世界へと導いた。
予期せぬ転機
しかし、整備の現場で過ごしたのはわずか4年。一等航空整備士の資格を取得したその直後、思いがけない異動の辞令が下りた。皮肉なことに、そこで待っていたのは、かつて避けようとしたデスクワークだった。
ところが、この異動が私の世界を大きく広げることになる。デスクワークの日々は、新しい発見と刺激に満ちていた。特に印象深かったのは、中古機をブラジル航空会社から引き取る業務だ。3週間に及ぶブラジル滞在。言葉の壁はあったが、仕事に国境はなかった。
外国語なんて全然できない私が、現地の航空機リース会社からスカウトの話までいただいたのは今でも不思議だ。ポルトガル語を少し勉強はしたものの、本当に使えるようになることはなかった。それでも仕事は進んでいった。技術者同士、辞書と図面を片手に身振り手振りで意思疎通ができる。「仕事の本質は言語ではない」─その実感は、後の人生にも大きな示唆を与えることになった。
静かな危機感
30代半ばを過ぎた頃から、私の心に変化が訪れ始める。仕事に慣れ、私生活も落ち着いてきた。そんな時期だからこそ、将来への不安が静かに芽生えていった。会社の制度改革を間近で見ていた私は、次第に気づき始めた。これまで当たり前だと思っていた終身雇用の神話が、実は砂上の楼閣だったことに。
会社の制度はどんどん変わっていった。管理職登用試験の導入、年金制度の見直し─。これらの変化は、私たちのすぐ後を追う団塊ジュニア世代が管理職年齢に差し掛かるタイミングを目前としていた。会社は、増え続ける中堅社員の処遇に頭を悩ませていたのだ。
このまま60歳まで働き続けて、その後どうなるのか。当時、定年後の仕事として目にしたのは、工事現場の警備員や、ビルの清掃員。それは決して悪い仕事ではないが、私の心は満たされなかった。
「定年のない仕事がしたい」。その思いは次第に強くなっていった。都会を離れ、自分の裁量で働ける仕事。そんな可能性を探り始めた私の目に留まったのは、農業だった。
決断のとき
最初は週末だけの農業体験から始めた。神奈川県二宮の有機農家で、土と向き合う日々。作物を育てる喜びを知る一方で、野菜作りの大変さも実感した。365日休みなく続く管理作業。短いサイクルでの収穫と出荷。
これは私に合わないかもしれない─。
そんな時、ある本との出会いがあった。『前略。農家、はじめました』という本で紹介されていた、週休3-4日制のブドウ農家の話だ。果樹栽培なら、野菜とは違うリズムで農業ができる。これなら、と私は考えた。
会社員として働きながら、少しずつ準備を進めた。
神奈川県のオレンジファーマー制度に応募し、柑橘栽培の基礎を学んだ。農業の技術を身につけながら、いつか就農するための布石を打っていく。
そんな私の背中を押したのは、会社の早期退職制度だった。45歳。思っていたより早い転機だったが「今このタイミングを逃すと、次はないかもしれない」。
決断の時は、いつも予想より早くやってくる。
振り返れば、整備の世界から経営企画に移ったことが転換点だった。整備士だったら、果たしてこんな決断をしただろうか。皮肉にもデスクワークを経験したことが、自分の将来を考えるきっかけになったと思う。
時代は確実に変わっていく。その波に飲み込まれるのではなく、自ら新しい航路を選ぶ。これが私の出した答えだった。
しかし、45歳での早期退職は、始まりに過ぎなかった。待ち受けていたのは、想像とは異なる農業の現実だった。
💪リデザインに向けたアクション
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自分の「定年後」をイメージしてみる。具体的に何歳まで、どんな形で働きたいか
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興味のある分野で、週末だけでもできることを探してみる
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実際に転身を経験した人にコーヒーを一杯おごって、率直な話を聞いてみる。失敗談や苦労話こそ、貴重なヒントになるはず
🎯次回予告 「九州NOW」:変わりゆく熊本の教育事情
TSMCの進出をきっかけに、熊本大学付属小中学校に国際クラスが新設されました。熊本は日本国内でも外国人の増加率が高いエリアです。しかし、国際クラス新設の背景には、単なる外国人増加への対応以外の理由がありました。その真のねらいとは?
来週もお楽しみに^^
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