なぜポジティブ思考?『サラとソロモン』で読む、子どももわかる引き寄せの法則
せっかくなので読んでみることに。
テーマは「引き寄せ」の法則。日本で同法則が流行るより前に出た本のようです。
小学生の女の子サラとふくろうのソロモンが問答し、問答をヒントにサラが実践した物語。
何をポイントに感じるかはそれぞれですが、私が思うこの本のエッセンスは「感じ方は選べる」ということです。
【目次】
1️⃣どう感じるか。決めているのは自分
2️⃣ハウツーに欠けている「何のため」
3️⃣「思考は現実化する」と自分の感情の関係
4️⃣わかりやすさの功罪
※「書く+αで生きていく。ライターの歩き方」は、横浜出身・天草在住の筆者が地方に移住し未経験からライター業などの複業を営みながら、人生100年時代を楽しく、自分らしく生きるために必要な考え方やスキルアップのヒントなどをお届けしています。
どう感じるか。決めているのは自分
日々、私たちはいろんなことを感じている。
いいことが起きたらうれしいし、悲しいことが起きたら悲しいし、嫌なことが起きたら怒りを感じたり、落ち込んだりする。
当たり前のことにように思えるが、それは単に「反応しているだけ」と聞いたらどう思うだろう。
起こった事象そのものには、いいも悪いもない。いいこと、あるいは悪いことだと判断しているのは、自分の価値観である。
感じ方は自分で決めている。だから、感じ方は自分で選べるという話だ。
話そのものは目新しくない。この本がユニークなのは、筆者の1人称や客観的な視点から書かれたものではなく、物語であること。それによって、子どもでもわかるようにされていることだと思った。
ハウツーに欠けている「何のため」
本書を読んで、あらためて気づいたことをシェアしたい。それは自分にとって望ましいことを現実にしたいなら、「望ましい」未来を明確に描く必要性がある、ということである。
どういうことか。
世の中にはいろんなハウツーがある。
・ネガティブではなくポジティブな表現を使おう
・身近な人、自分の置かれた環境に感謝しよう
このハウツーを採用したと思われる事例は身の回りにたくさんある。たしかに「トイレを汚さないで」よりも「きれいに使ってくれてありがとうございます」の方が気持ちいい。
現状に不満を言っている人よりも、感謝を伝えている人の方が気持ちいい。そうしたことは行動経済学などでも研究されている。
しかし、私はこれらのハウツーに疑問を感じていた。その先には何があるのだろう。何のため?が抜け落ちている。だから、SNSやバスの行き先表示などさまざまな場所に書かれた「感謝」にどれだけの値打ちがあるのか?とも思っていたのである。
「思考は現実化する」と自分の感情の関係
本書を読んで、ハウツーの奥にあるものがわかった。
ポジティブな表現を使っても、それが嫌なことを押しのけたいという思いからなら、ほとんど意味はない。
だから、いまの嫌なことではなく、その先にあるありたい状態を明確にすることが大事。イメージとしてはこんな感じではないだろうか。
筆者作
『サラとソロモン』 によると、地球上のすべての生き物は生まれながらに「いい流れ」とつながっているらしい。
しかし、人間は物心ついたときから周囲を観察するようトレーニングして来た。そのため、「いい流れ」とつながるのに必要な、自分がどう感じているかに意識が向きにくい。
自分がどう感じているかに意識が向かないと、自分が悪い感情でいることに気づかない。すると、私達は悪いもの、望ましくないものにつながりやすくなる。本来はいい流れとつながるようできているのに、悪いことを考えるせいで、自らいい流れを閉じてしまうのだ、と。
このくだりを読んで、ポジティブな言葉を使い、感謝をすることの大切さが腹落ちした。すべては自分をいい状態に持っていくためだったのだ。
そうであるなら、引き寄せの法則を機能させるにはゴール=土台部分であるありたい状態=望ましい状態を強く、明確にイメージすることがめちゃくちゃ大事ということになる。
逆に言えば、いまできない理由にフォーカスし、どんなに多くのノウハウを集めてみても、現実は変わらない。ノウハウコレクターが生まれる理由がわかった気がした。
わかりやすさの功罪
もう1つ印象的だったのは「死」に対する考え方。
肉体は単なる箱だといったことを、ふくろうが話すシーンがある。
新約聖書では、キリストは死後に復活する。
科学的にありえない。オカルト的なあやしい話である。けれど、本当に伝えたかったことは「肉体は箱」ということなのではないか。
「千の風になって」という歌がある。その歌には次のような歌詞がある。
私のお墓の前で 泣かないでくださいそこに私はいません 眠ってなんかいません
「お墓に眠っている」「そこに行けば故人に会える」という考え方からすると不思議な話だが、「肉体は箱」にすぎないなら、この歌の意味もわかるような気がしてくる。
私には宗教はわからない。しかし、もし「肉体は箱」を伝えたかったとすると、かなり歪曲されて伝わっているのではと思えてきた。
私は世の中のすべてが理路整然と説明できるとは思っていない。言葉にするのが難しい世界もあるはずだ。しかし、オカルト的なものと結びつけて権威を高めようとするのは違うと考えている。
「わかりやすく」を追求するあまり、より刺激的な、センセーショナルな方向に進んだ結果かもしれない。
それは宗教に限った話ではないだろう。文章の書き方、表現の仕方にもつながる話だ。
上の図の丸で囲んだ部分が支持され続けることにも関係があるかもしれない。
『サラとソロモン』は、引き寄せの法則を自分のものにしたいと考える人におすすめの1冊だ。
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